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令和7年新春講演会並びに賀詞交歓会

 令和7年新春講演会並びに賀詞交歓会が、令和7年1月29日(水)にホテルメトロポリタン盛岡 本館4階にて開催されました。

本年度の新春講演会には94名の参加者が集まり、岩手県立大学理事・副学長兼研究・地域連携本部長であり、ソフトウェア情報学部教授の亀田氏をお迎えしました。

「大学教員の頭脳 〜天才?それともただの変人〜」と題し、「新しい考えの画像圧縮」「医療分野でのAIの適用」「質感の変化を測る評価尺度」「美術(アート)への挑戦」の4部構成でご講演いただきました。

「新しい考えの画像圧縮」では、新しい圧縮技術を生み出す過程についてお話しいただきました。画像を従来の画素として捉えず、曲線近似に基づく画像表現で輪郭を捉え、二次曲線の組み合わせで画像を生成する方法を編み出されたそうです。さらに、DCT-ICAハイブリッド符号化による圧縮技術とICA(独立成分分析)を組み合わせることで、高い圧縮率を実現しつつ、画質の劣化を最小限に抑えることが可能になったとのことでした。

「医療分野でのAIの適用」では、超解像技術を用いることで低解像度の医用画像を高精細化し、診断の精度を向上させる試みについてご説明いただきました。具体的には、MRIのぼやけた短時間画像を、機械学習したくっきりとした長時間画像を用いて超解像化し、患者の負担を軽減する技術についてのお話がありました。この技術は、医療現場において大きな可能性を秘めていると感じました。

 「質感の変化を測る評価尺度」については、フラクタル次元や両眼視差を用いる手法をご紹介いただきました。これらの手法を活用することで、画像の質感や立体感の評価をより精密に行うことが可能となり、画像処理技術のさらなる発展が期待されるとのことでした。

 「美術(アート)への挑戦」では、レンジファインダーを用いて3次元データを取得し、絵画の質感を忠実にデジタル化する方法についてご説明いただきました。この技術により、鑑賞者がよりリアルに作品を体験できるだけでなく、文化財の保護にも貢献できると感じました。また、筆の凹凸や光の当たり方による変化などをより詳細に記録できるため、作品の研究や修復作業にも大いに役立つと考えられます。

 本講演を通じて、画像圧縮技術の多様な応用とその可能性の広がりを実感しました。技術の進化により、単なるデータ圧縮にとどまらず、医療や美術など多岐にわたる分野での活用が可能になっていることが非常に興味深かったです。また、新しい技術というものは、従来の概念にとらわれない自由な発想が非常に重要であるということを学ぶ貴重な機会となりました。

 講演会後の賀詞交歓会には84名が参加し、円卓を囲んで講演内容についての質問を含めた活発な意見交換が行われました。非常に盛況な雰囲気の中、参加者同士の親睦が深まり、有意義な時間を過ごすことができました。

 

【新春講演会】

   演 題  『大学教員の頭脳 ~天才?それともただの変人?~』

   講 師   岩手県立大学 理事/副学長兼研究・地域連携本部長

         ソフトウェア情報学部 教授  亀田 昌志 氏

 

 

【賀詞交歓会】
  1.開 会
  2.挨 拶       岩手県情報サービス産業協会 会長      法貴 敬 氏  
  3.来賓祝辞・乾杯   岩手県立大学

                研究・地域連携本部 特命教授      柴田 義孝 様
  4.懇 談

  5.中締め       岩手県情報サービス産業協会 副会長     滝浦 輝雄 氏

  6.閉 会